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春のオークションはバスキアが主役! 最盛期の作品がNYで74億円、香港で19億円

5月31日、香港で開催されたフィリップスの近現代美術イブニングセールで、ジャン=ミシェル・バスキアの作品が1260万ドル(約19億8000万円)で落札。今回のセールで最高額となった。

5月31日、香港で開催されたフィリップスのオークションで約19億円で落札された《Native Carrying Some Guns, Bibles, Amorites on Safari》(1982)。Photo: Jean Bourbon

香港で開催されたフィリップス近現代美術イブニングセールで最高額を記録したのは、ジャン=ミシェル・バスキアの初期かつ最盛期と言われる1982年の作品《Native Carrying Some Guns, Bibles, Amorites on Safari》。最低予想落札額である1200万ドル(約18億9000万円)をわずかに上回る、1260万ドル(バイヤーズ・プレミアム込み、約19億8000万円)で落札された。

この日のセールの総額は2680万ドル(約42億1300万円)で、売約率は96%と前シーズンより10%上昇した。その他の目立った取引は、バンクシーの《Leopard and Lamb》(2016)が470万ドル(約7億3900万円)、草間彌生《INFINITY NETS(ZGHEB)》(2007)が330万ドル(5億1900万円)、同じく草間の《Pumpkin》(2000)が170万ドル(2億6700万円)だった。また、1978年生まれの画家、武田鉄平の《Painting of Painting 026》(2019)が予想落札価格のおよそ6倍となる184万1500香港ドル(3698万円)で落札された。

今回のバスキア作品の落札結果について、フィリップスのアジア近現代美術の責任者、メイリン・リーは、プレスリリースで次のように話した。

「この素晴らしい結果は、バスキアの遺産に対する私たちの揺るぎない献身に加え、彼の作品が持つ力を示すという私たちのコミットメントが果たされたことの現れなのです」

香港でのバスキアの記録は、5月14日にニューヨークで開催されたフィリップスのモダン&コンテンポラリーアートのイブニングセールで最高額となった《Untitled (ELMAR)》(1982)の4650万ドル(約74億円)に続くものだ。同セールではバスキアの初期作品が計3点出品され、《Untitled (Portrait of Famous Ballplayer)》(1981)が780万ドル(12億2600万円)、《Untitled (Grain Alcohol)》(1983)が199万6000ドル(約3億1400万円)で落札された。(翻訳:編集部)

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