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バンクシーのあの代表作が盗難に! ギャラリーの監視カメラに映っていた2人の男を逮捕

バンクシーの代表作の一つである《風船を持った少女》がロンドンのギャラリーから盗み出された。犯行の一部始終が監視カメラに収められていたことから、犯人は1週間以内に逮捕された。

《風船を持った少女》と《Love is in the Bin》。Photo: Getty Images

9月8日の夜、ロンドンのグローブ・ギャラリーからバンクシーの《風船を持った少女》が盗まれた。その一週間後、本作の盗難容疑で当局は二人の男性を逮捕。彼らは侵入窃盗の容疑で起訴され、裁判は10月に行われる予定だという

《風船を持った少女》が盗まれたのは、グローブ・ギャラリーで開催されていた展覧会「Banksy’s London Rebellion」の会期が終了した翌日のことで、ギャラリーに押し入る二人の男の姿が監視カメラに映っていた。これにより犯人は12日に逮捕され、作品はすでにギャラリーに返却されている。この展覧会に展示されていた作品の総額は200万ドル(約2億8000万円)を上回っていたというが、持ち出されたのは《風船を持った少女》だけだった。

風に吹かれた少女が赤いハート形の風船に手を伸ばしている本作は、バンクシーを代表する作品シリーズの一つ。2002年からロンドンの街中で見られるようになり、2003〜2005年にかけてプリント版が制作されている。2018年に同作はサザビーズ・ロンドンでオークションにかけられており、約104万ポンド(当時の為替で約1億5500万円)で落札された瞬間にバロック調の額縁に仕掛けられたシュレッダーが起動し、作品の下半分が細断された。《Love is in the Bin(愛はゴミ箱の中に)》と改題されたこの作品は、2021年にサザビーズ・ロンドンで再び競売にかけられ、1858万2000ポンド(同約29億円)で落札されている

バンクシーの作品は公表されたと同時に自治体や作品が描かれた建物の所有者によって保護される場合がほとんどだが、窃盗被害に遭うのは今回が初めてではない。今年の8月5〜13日までバンクシーが動物をモチーフに発表した作品の一つは発表された直後に盗まれたり、作品の上に落書きされたりしている。これ以外にも、今年の初めには、バンクシーの友人を謳う男性がポンピドゥー・センター付近の標識の裏に描かれたバンクシーの作品を盗もうとしたことから、執行猶予付きの2年間の実刑判決を受けたという。(翻訳:編集部)

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