大泥棒3兄弟が盗んだダリ作品を発見。スペインのアジトから美術品を多数押収
スペインのカタルーニャ州当局は、昨年バルセロナで盗まれたサルバドール・ダリとジョアン・ミロの作品が隠されていた容疑者のアジトを突き止めた。
スペインの警察当局はこの事件で、55歳、53歳、50歳の兄弟を拘束。3人はバルセロナの高級住宅街で美術品や貴重品を狙い、盗みを働いたとされる。窃盗団は2022年1月以来、警察の「Gresca作戦」の捜査対象となっていた。
2月17日に警察は、盗品の宝石や紙幣のほか、シュルレアリスムの巨匠、サルバドール・ダリによる100年前のドローイング2点などの美術品を容疑者のアジトから多数押収したと発表。
ダリの木炭画は、茶色の紙に牧歌的な風景が描かれたもので、約30万ドル(約4000万円)の価値があると見られる。ダリの遺産を管理するガラ=サルバドール・ダリ財団によって真作であることが確認された。
押収されたダリの2作品は、スペインの作家、ペレ・コロミネが著書『Les Gràcies de l’Empordà』(カタロニア語で「エンポルダの恵み」の意)の挿画としてダリに依頼し、1922年に制作されたもの。
17日にロイターが報じたところによると、ほかに2人の容疑者が盗品を受け取ったとして逮捕され、3人の兄弟ともども裁判を前に保釈されたという。
また、ジョアン・ミロの作品5点も押収され、現在、遺族による鑑定結果を待っている。さらに、画家パコ・ソラの作品2点、銀や金のペンなどの貴重な骨董品、コインや宝石も見つかった。(翻訳:石井佳子)
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