「最高神ゼウス」像の頭部をトルコ当局が押収──容疑者3人を逮捕、入手経路は不明

約2000年前のものと見られるゼウス像の頭部を、トルコ当局が押収した。イズミル県の検察と警察による歴史的遺物の密輸取締り合同作戦で、3人の容疑者が身柄を拘束・起訴されている。

約2000年前のものと見られる大理石のゼウス像頭部を手にするトルコの密輸取締捜査官。Photo: DHA

トルコ西部・イズミル県中心部のコナク地区で、古代ギリシャ神話のゼウス神をかたどった大理石彫刻の頭部をトルコ当局が押収した。約2000年前の古代ローマ時代のものと見られるこの彫像は、イズミル地方検察庁が同県警察の密輸対策・情報部門と合同で実施した摘発作戦で回収されている。

この捜査で容疑者3人が身柄を拘束され、トルコの文化・自然遺産保護法(第2863号)違反の容疑で起訴されたが、氏名等は公表されていない。トルコの通信社デミロレンによると、3人は裁判所に出廷した後に逮捕されたという。

容疑者らがどのようにしてこの彫刻を入手したのか、また、それが既に発見されている遺跡と何らかの関係があるのかについて、当局からの発表はない。このことは、略奪文化財の年代を特定したり、歴史的意義を見極めたりすることの難しさを浮き彫りにしている。

今回、彫刻の頭部が回収されたゼウスは、古代ギリシャの最高神で、空と雷の神でもある。オリンポスの神々の支配者として崇拝され、豊かな髭を蓄えた壮年の男性として描かれた。紀元前3世紀から紀元前2世紀にかけてのマケドニア戦争を経てギリシャ世界がローマの支配下に入ると、ゼウスはローマの最高神ユピテルに重ねられるようになる。

しかし、その姿はギリシャ彫刻の古典的な様式で表現され続け、ゼウスは古代のアナトリア(現在のトルコのアジア部分)において、ギリシャ、ヘレニズム、ローマ文化を通じて広く崇拝された。

なお、彫像の制作年代や出土した場所などの詳細については、今のところ明らかになっていない。(翻訳:石井佳子)

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