パリ・ポンピドゥーが2025年から5年間休館。総額385億円の改修計画を発表
10日、パリのポンピドゥー・センターは、大規模改修により2025年から5年間休館する計画を公式発表した。改装費用は約385億円にのぼる。
以前の発表では、開館50周年にあたる2027年までの休館予定だったが、この延長により、同館は記念すべき年を逃すことになる。
休館中、ポンピドゥー・センターは、2025年にブリュッセル、2026年にアメリカ・ニュージャージー州で開館予定の分館の準備にも力を注ぐ。
分館計画は、ソウルとサウジアラビアのアルウラでも具体化しており、ブラジルのパラナ州でも交渉が行われている。
ポンピドゥー・センターの改装費用は2億6200万ユーロ(約385億円)にのぼる。このように莫大な費用をかけた長期間の閉鎖は、世界的に見ても珍しいケースだ。2019年にニューヨーク近代美術館(MoMA)が改修工事を行ったが、投じられた費用は4億5000万ドル(約600億円)、一般公開を中止したのはわずか4カ月間だった。
フランス政府の発表によると、リチャード・ロジャースとレンゾ・ピアノが1970年代に建設した同館は風化や劣化が著しく、その維持管理を行うために閉鎖が必要だという。
今回の改修の一環として、これまでメインスペースと離れた場所にあった、20世紀を代表する彫刻家、コンスタンティン・ブランクーシのアトリエを再現した「アトリエ・ブランクーシ」を本館の中心部に移動することが発表された。
また、全面的なコレクションの見直しや、実世界とデジタルをかけあわせた「フィジタル」体験の充実、そして図書館の改修も行われる。
同館は2025年夏から長期休館に入るが、それまで注目の展覧会が目白押しだ。2024年には史上最大のコンスタンティン・ブランクーシ展とシュルレアリスム100周年記念展、2025年には、1950年から1990年のパリにおけるブラックアートの展覧会が予定されている。(翻訳:編集部)
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