草間彌生の常設ギャラリーがブラジルにオープン! 「無限の鏡の間」シリーズも
ブラジル・サンパウロの北、ブルマジーニョにある世界最大級の屋外美術館に、草間彌生の常設ギャラリーが開設された。この10年、世界的な人気を博している「無限の鏡の間」シリーズの作品などが展示される。
草間彌生による2つの人気インスタレーションを常設展示するガレリア・ヤヨイ・クサマをオープンしたのは、ブラジル・ブルマジーニョの自然の中に広がる大規模屋外美術館イニョチンだ。
2点のうち1つは「無限の鏡の間」シリーズの《Aftermath of Obliteration of Eternity》(2009)で、木、金属、ガラスで構成されたこの作品の内部に入ると、鏡に反射した自分の姿が光の中で無限に増殖していくように感じられる。
この作品の別バージョンはアメリカ・テキサス州のヒューストン美術館で展示されたこともあり、観覧しようと集まった来場者の長い列が話題になった。コレクターのベルナルド・パスが創設したイニョチンでは、この作品を制作された年に購入している。
常設展示されるもう1のインスタレーションは、イニョチンが2008年に入手した《I'm Here, But Nothing》(2000/2022)だ。このインスタレーションでは、ブラックライトで照らされた部屋や壁に沿って並べられた家具が、蛍光色に発光した無数の水玉で覆われる。
この2つの没入型作品に加え、周囲を映し出す鏡のような銀色の球体を敷き詰めるインスタレーション《ナルシスの庭》(1966/2009)も展示される予定だ。
著名アートアドバイザーで、イニョチンの創設ディレクターでもあるアラン・シュワルツマンは声明で、「イニョチンにとって待望の常設ギャラリーが実現しました。これは、現在、最も先見性のあるアーティストの1人、草間彌生の作品を高く評価するイニョチンの芸術的な成果です」と述べている。
イニョチンの常設ギャラリーは、世界を席巻する草間人気を受けて登場した。今年に入ってからも草間作品の大規模展が目白押しで、ニューヨークの大手ギャラリー、デヴィッド・ツヴィルナーやスペインのビルバオ・グッゲンハイム美術館(香港の現代美術館M+から巡回)、イギリス・マンチェスターにあるファクトリー・インターナショナルなどで個展が開催されている。(翻訳:石井佳子)
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