2500年前の輝きを留める青銅製の女性像等を発見──古代エトルリアの「供物」か

古代ローマ以前にイタリア中〜北部で栄えた都市国家群エトルリア。その重要な遺跡の一つで、約2500年前にさかのぼる極めて希少な青銅器が見つかった。井戸跡から出土したこの遺物は、当時の金属の輝きが残る良好な保存状態にあるという。

北イタリアのマルツァボット地区で発見された青銅製の遺物。Photo: Courtesy Marzabotto National Etruscan Museum

イタリア北部・ボローニャ近郊のマルツァボットで考古学調査を行っているボローニャ大学とラヴェンナ考古学グループが、古代エトルリアの都市カイヌア(Kainua)の遺跡にある井戸跡から「驚くほど保存状態の良好な」青銅器を発掘した。

カイヌアはイタリアで最も重要なエトルリア遺跡の一つで、ヘリテージ・デイリーの報道によると、調査隊は儀式が行われていた痕跡を発見。そこを発掘した結果、古代の井戸の底に約2500年にわたり埋もれていた遺物が出土した。

見つかったのは青銅でできた女性像2体と、同じく青銅製の「極めて希少な」椀などで、今なお金属の光沢を保った良好な状態にある。「これらの青銅器は偶然ここにあるわけではなく、供物として意図的に埋められたというのが考古学者の見解だ」とヘリテージ・デイリーは伝えている。

今回の発見は、井戸が単に都市の給水施設の一部として機能していただけでなく、水にまつわる儀式の場、さらにはカイヌアという都市国家そのものの成立に関わる聖なる地でもあった可能性を示唆している。

また、同じ場所からは成人2人の人骨も発見された。それらが青銅器とは異なる時代のものであることから、のちの時代にもこの井戸で儀式が行われていたと推測されている。この仮説が正しければ、「井戸が長きにわたり神聖な場所としての重要性を保ち続けていた」ことになる。

カイヌアはおよそ2世紀にわたって繁栄したが、紀元前4世紀にケルト人が勢力を拡大したため同世紀半ばに放棄された。その後古代ローマに併合されたこの地の遺跡は19世紀に発見され、ボローニャ大学が1988年から考古学調査を継続。これまでに住居や工房、街路、神殿、埋葬地などの遺構が発掘されている。(翻訳:石井佳子)

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