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  • 2022.12.28

アート業界のジェンダーギャップを是正せよ! 女性アーテイストに注目が集まった1年を振り返る【2022年のアートニュースまとめ】

今年開催されたヴェネチア・ビエンナーレでも女性の参加アーティストが全体の90%を占めるなど、22年のアート業界ではこれまで以上に女性の表現力にスポットが当てられた。しかし世界を見渡すと、アメリカで人工妊娠中絶を合憲と認めた1973年の「ロー対ウェイド判決」が覆されたり、イランでヒジャブを正しく着用していないとして逮捕された女性が死亡するなど、依然として女性が自由を奪われる場面が多く見られた。アートの力で困難に立ち向かう、そしてより良く生きようとする女性たちの活躍の数々をご紹介しよう。

ナタリア・イギニスのシリーズ作品《The Other》(2001)より。Cプリント、各103 × 71 cm Courtesy Museo Universitario Arte Contemporáneo

2022年ヴェネチア・ビエンナーレを数字で解析。注目は女性作家と20世紀の前衛芸術家

2022年のヴェネチア・ビエンナーレは4月下旬に開幕する Courtesy Venice Biennale

4月に開幕する「第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展」は、先頃メイン会場の参加アーティストを発表。チェチリア・アレマーニがキュレーションする今回のメイン会場の展示は、シュルレアリスムの画家、レオノーラ・キャリントンの一連のドローイングや絵本にちなんで「The Milk of Dreams(ミルク・オブ・ドリームス)」と題され、シュルレアリスムをはじめとする20世紀の前衛運動に参加したアーティストの作品が数多く出展される。また、女性アーティストの比率が非常に高く、男性は21人のみというこれまでにない構成になっている。

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私は黒人女性に語りかけたい:ヴェネチア・ビエンナーレ最高賞シモーヌ・リーの創作

制作中のシモーヌ・リー(2021) Photo: Shaniqwa Jarvis/Courtesy Matthew Marks Gallery

2022年のヴェネチア・ビエンナーレのアメリカ館では、メイン展示部門で最高賞の金獅子賞を受賞したシモーヌ・リーの展覧会が開催された。黒人女性が金獅子賞を受賞するのも、米国の代表アーティストに選出されるのもビエンナーレ史上初めてのことだ。

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「Maternar(母親であること)」展がメキシコUNAM現代美術館で開催

ナタリア・イギニスのシリーズ作品「The Other(もう1人)」(2001)より。Cプリント、各103 × 71 cm Courtesy Museo Universitario Arte Contemporáneo

少子化や育児の悩みなど、子どもを産み、育てることをめぐる問題は、日本でも、そして世界でも重要な課題だ。そんな中、メキシコシティの美術館で「母親」をテーマにした意欲的な企画展が開かれた。

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アメリカの美術館が女性アーティストのみの展示スペース建設へ。コレクターが1200万ドルの寄付

アルテミジア・ジェンティレスキ《Self-Portrait as Clio(クリオとしての自画像)》(1593-1653) Courtesy Muskegon Museum of Art

女性アーティストは男性に比べ、美術館での展示機会が少ないという現実がある。先ごろスイスの金融機関UBSが発表した米国のアート市場に関する調査でも、性別による不平等が残っていることが指摘された。そんな中、アメリカのある美術館では、女性アーティストの作品を常設展示するため、施設の拡張が行われた。

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フェミニズムアートの過去と現在。アルドリッチ現代美術館で50年前のフェミニスト展をリバイバル開催

レイチェル・ユーレナ・ウィリアムズ《Pedestal Reeducation(台座の再教育)》(2021)カンバスと木材にアクリル絵の具、染料、ロープ 約330×1635×8cm Photo: Jason Mandella/Courtesy Canada, New York

2022年の夏は、フェミニズム運動の50年の歩みを重苦しい気持ちで振り返る時となった。米連邦最高裁判所が6月に、女性の人工妊娠中絶の権利を憲法で認めた判決を覆したからだ。その一方で、勇気付けられるような展覧会が同じ6月にコネチカット州のアルドリッチ現代美術館で開催された。

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女性アーティストたちに光を。アート業界のジェンダー平等を率いるカミーユ・モリノー

今年のフリーズマスターズでひときわ注目を浴びたのは、これまであまり知られてこなかった女性アーティストたちの作品を紹介する「Spotlight」部門。この部門を統括したカミーユ・モリノーに、今、とりわけモリノーが拠点を置くフランスのアート業界で進みつつあるジェンダー平等の動きについて話を聞いた。

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「私はフェミニストであり続ける」──アメリカの女性芸術博物館が巨大なフェミニズムアートに大変身

Katharina Cibulka, SOLANGE #27. KEVIN ALLEN

アメリカ・ワシントンDCに巨大なフェミニズム・アートが出現した。仕掛けたのは、オーストリア人アーティスト、カタリーナ・チブルカ(Katharina Cibulka)だ。

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