山火事で全焼した「ウサギ博物館」、再建へ一歩──約4メートルの巨大ステンレス彫刻をお披露目
- TEXT BY ANNE DORAN
2025年のロサンゼルス山火事で焼失したバニー・ミュージアムに、再建の象徴となる巨大ステンレス製ウサギ彫刻が寄贈され、一般公開された。創設者は2028年の再開を目指し、現在も寄付を募っている。

かつてサンフランシスコの地元メディア、SFGateに、「訪れることのできる、最も奇妙でワイルドな場所のひとつ」と評されたカリフォルニア州アルタデナの「バニー・ミュージアム」は、2025年に発生したロサンゼルス大規模山火事により全焼した。
バニー・ミュージアムは、キャンディス・フレイジーと夫のスティーブ・ルバンスキーが設立した、「ウサギに関するあらゆるものを収集・展示」する文化施設で、1998年の開館以来カルト的な支持を集め、ギネス世界記録にも3度掲載されている。
焼失前、同館には少なくとも4万5000点のウサギに関連するメモラビリアが収蔵されていた。古代エジプトの護符をはじめ、ヴィンテージ玩具、陶製の置物、書籍、ローズ・パレードの山車に用いられたウサギの装飾、アニメ「バッグス・バニー」のコレクターズアイテム、今月スーパーボウル・ハーフタイム・ショーでも話題になったプエルトリコ出身のラッパー、バッド・バニーが表紙を飾った雑誌の額装、さらには生きたウサギまで含まれていた(これらの生体は、夫妻の飼い猫とともに火災から救出された)。
同館の展示のすべてが気軽に楽しめるものというわけではない。ポップカルチャー、科学、迷信におけるウサギの役割を解説するテーマ別の部屋に加え、歴史上のウサギの搾取を扱った立ち入り制限エリアも設けられていた。2018年にこのコレクションを紹介したロサンゼルス・タイムズは、「一見キッチュに傾いているように見えるが、この膨大な収集群は洞察を秘め、風変わりながらも独特の重みを備えている」と評している。
火災後、フレイジーとルバンスキーのもとには約6万点ものウサギ関連資料がファンたちから寄贈された。そこに最近新たに加わったのが、高さ約4メートル、重さ約500キログラムのステンレス製ウサギ彫刻だ。《スキャナー(Scanner)》と名付けられたこの作品の作者は、中国・石家荘の作家ジャオ・ジエ(Jesse Zhao)で、カリフォルニア州モンロビア在住のウェズリー・ズッコから寄贈された。2月20日には一般公開のお披露目が行われ、フレイジーはパサデナ・ウィークリーに、その喜びをこう語った。
「これほど壊滅的な火災の後、スキャナーが地域の人々の心を少しでも明るくしてくれることを願っています。そして、バニー・ミュージアムが灰の中から再び立ち上がることを、近隣の皆さんに知らせる存在にもなるでしょう」
バニー・ミュージアムは2028年、新たな建物での再開を目指し、GoFundMeで寄付を募っている。(翻訳:編集部)
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