古代エジプトの「黄金の舌」、2000年以上眠る墓から出土──死者が神々と語るための護符

エジプト・アレクサンドリア近郊のマリーナ・エル・アラメイン遺跡で、プトレマイオス朝から古代ローマ時代の墓18基が発見された。墓からは金製護符などが出土し、古代エジプトの葬送文化がローマ時代まで受け継がれていた実態が浮かび上がった。

マリーナ・エル・アラメイン遺跡で発見された7基の墓。Photo: Ministery of Tourism and Antiquities/AP

エジプト・アレクサンドリア近郊にあるマリーナ・エル・アラメイン遺跡で、これまで知られていなかったプトレマイオス朝からローマ時代(紀元前3世紀末〜3世紀頃)の墓18基が発見された。

この発見はエジプト観光・考古省が発表し、7月4日にHeritage Dailyが報じた。それによると、18基の墓は、深さ最大約8メートルに達する岩窟墓11基と、地上の石灰岩に築かれた墓7基で構成される。埋葬室のいくつかは石板で封じられたままで、2000年以上にわたって手つかずの状態で保存されていた。

中でも目を引くのが、蓋が閉じられた全長約2.5メートルの石棺だ。内部からは人骨が見つかり、現在分析が進められている。調査団長のイマーン・アブデルハリクによれば、石棺の近くからは漆喰製のスフィンクス像の一部も出土したという。

もうひとつの注目すべき発見は、舌の形をした金製の葬送用護符24点だ。その一部は死者の口の中に納められていた。薄い金で作られたこの「黄金の舌」は、古代エジプトで死者が冥界の神々と会話できるようにとの願いを込めて用いられていた。また、守護のシンボル「ホルスの目」をかたどった金製護符も見つかっており、エジプトではギリシャ系王朝であるプトレマイオス朝期やローマ時代になっても古代エジプトの葬送儀礼が受け継がれていたことを裏付けている。

このほか、古代エジプト人が生者と死者の世界を繋ぐと信じた、見せかけの扉「偽扉(ぎひ)」をかたどった石灰岩製の供物台や、鳥を手に座る男性を模した葬送彫刻、完全な形で残る土器なども出土した。

エジプトの地中海沿岸に位置するマリーナ・エル・アラメインは、1986年に建設工事中に発見された。この遺跡には、2世紀に築かれ、365年の津波によって壊滅したギリシャ・ローマ時代の港湾都市レウカスピスが含まれる。これまでの発掘調査では、街路や住宅・商業地区、公共建築、港湾施設などが確認され、当時この地が繁栄した沿岸都市だったことが明らかになっている。

エジプトのシェリフ・ファトヒ観光・考古大臣によると、同遺跡では一般公開に向けて、ビジターセンターや電動シャトルバス、遊歩道、博物館、管理棟などを整備する計画が進められており、プロジェクトは2027年前半に完了する見込みだという。(翻訳:編集部)

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