廃材置き場にトレビの泉を手がけた巨匠の作品! 約6万円で買った大理石像が競売へ

イギリスの廃材置き場で300ポンド(約6万3000円)で販売された大理石像が、トレビの泉の彫刻で知られるピエトロ・ブラッチの作品と判明した。失われた教皇のブロンズ像の姿を伝える貴重なマケットで、10月8日のオークションに予想落札価格5000~1万ポンド(約105万~210万円)で出品される。

ピエトロ・ブラッチによる教皇クレメンス12世の大理石像。 Photo: Courtesy Woolley & Wall

イギリスの廃材置き場で300ポンド(約6万3000円)で販売された大理石像が、専門家の鑑定によって、18世紀のイタリアを代表する彫刻家ピエトロ・ブラッチ(1700–1773)の作品だと判明した。アートネットが伝えた。

像が見つかったのは、イングランド南西部ウィルトシャーの廃材置き場だ。ハンプシャーのアンドーヴァー近郊にあるカントリーハウスから持ち込まれたもので、風雨による劣化から、廃材置き場の経営者はコンクリート製だと思っていた。しかし、購入者は何か特別なものかもしれないと考え、地元の競売会社ウーリー&ウォリス(Woolley & Wallis)に鑑定を依頼した。

調査の結果、玉座に座る教皇クレメンス12世コルシーニをかたどった、ブラッチによる大理石製のマケット(大型彫刻の制作に先立って作られる模型)であることが分かった。高さは68センチで、側面にはブラッチの署名が刻まれている。ブラッチは、ローマの名所トレビの泉の中央に立つ《オケアノス》像を手がけたことで知られる。

ステファノ・ポッツィとロッコ・ポッツィによる、ブラッチの作品を描いた版画。Photo: Courtesy Woolley & Wall
像にはブラッチによる署名も。Photo: Courtesy Woolley & Wall

マケットを基に大型のブロンズ像が鋳造され、ローマの宮殿パラッツォ・ヌオーヴォの大広間に設置された。同宮殿はカピトリーノ美術館を構成する建物の一つで、クレメンス12世のもとで1734年に一般公開された世界最古の公共美術館として知られる。

ブロンズ像はその後、別の建物に移され、1798年のローマ共和国時代に溶かされた。今回の大理石像が発見されるまで、失われたブロンズ像の姿を伝えるものとして知られていたのは、ステファノ・ポッツィとロッコ・ポッツィによる版画だけだった。

石像は10月8日、ウーリー&ウォリスの「Fine Furniture & Collections」オークションに出品される。予想落札価格は5000~1万ポンド(約105万~210万円)。同社の家具部門の専門家マーク・ユアン=リチャーズは、声明で次のように述べた。

「ピエトロ・ブラッチによる、18世紀の希少な教皇クレメンス12世の大理石像が発見され、競売に出品されることはまたとない機会です。ブラッチは18世紀ローマを代表する彫刻家の一人でした。現存するこの貴重な作品は、当時の教皇宮廷の世界や、その時代の華やかな芸術文化との繋がりを、実物を通して感じさせてくれます」

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