アリストテレスが若きアレクサンドロス大王を教えた現場? ギリシャで2400年前の学校遺構を発見

ギリシャ北部の古代都市ミエザで、紀元前4世紀半ばの遺構から講義室や運動施設、モザイク床の宴会室、筆記具4本が見つかった。アリストテレスが若きアレクサンドロス大王を教えた学校の可能性があるとして、注目を集めている。

遺構の俯瞰図。Photo: Copyright Hellenic Ministry of Culture

ギリシャ北部の古代都市ミエザで、アリストテレスが若きアレクサンドロス大王を教えたとみられる学校の遺構が発掘された。Live Scienceが伝えた。

発掘は考古学者アンゲリキ・コッタリディの指揮のもと、ギリシャ文化省とナウサ市の協力により2024年から進められている。同文化省によると、遺構からは石造りの机を備えた講義室のほか、運動場、競技場、屋根付きの柱廊、2つの宴会室が見つかった。宴会室にはモザイクの床が残り、それぞれに10台の寝椅子を置くための高い台が設けられていた。建築様式や床の意匠には、マケドニア王フィリッポス2世(紀元前382~336)と息子のアレクサンドロス(紀元前356~323)が暮らしたアイガイの王宮との共通点が見られる。硬貨や陶器に加え、筆記具4本も見つかった。

古代ギリシャの著述家プルタルコス(紀元50~120年頃)は『アレクサンドロス伝』で、アレクサンドロスがミエザで哲学者アリストテレス(紀元前384~322)の教育を受けたと記している。コッタリディは、発掘中の建物群がその教育の場だったと考えている。「ギュムナシオン」と呼ばれる古代ギリシャの施設では、学問を教えるとともに身体の鍛錬も行われた。

モザイク床の清掃作業の様子。Photo: Copyright Hellenic Ministry of Culture
通路の発掘調査の様子。Photo: Copyright Hellenic Ministry of Culture
遺構の俯瞰図。Photo: Copyright Hellenic Ministry of Culture

コッタリディはLive Scienceに、フィリッポス2世が息子とマケドニアの貴族の子どもたちのために学校を設けたと説明した。この一帯では20年以上前にも一部の発掘が行われ、近くからはギリシャ神話の精霊ニンフに捧げられた記念物が見つかっている。

発掘に参加していない研究者たちも、この遺構を学校とみる説を支持している。ネブラスカ大学オマハ校で古代地中海研究プログラムを率いるジャンヌ・リームズは、「現在得られている証拠は、この場所がフィリッポス2世の設けた学校で、アリストテレスが若いアレクサンドロスと仲間たちを教えたことを示しています」と述べた。今後の調査が、紀元前4世紀後半のマケドニアにおける支配層の教育を明らかにすることを期待している。

サウスダコタ州立大学の歴史学教授グラハム・ライトソンは、アレクサンドロスが学んだとみられる教室の発掘に興奮を示した。出土した筆記具については、「4本のうち1本がアレクサンドロスのものだったと想像したくなります」と語る。ただし、誰が使ったかはまだ分かっていない。

オーストラリアのニューカッスル大学の研究者エリザベス・ベイナムは、フィリッポス2世の財力を考えれば、学校が豪華だったことは驚くに当たらないと指摘する。また、古代マケドニアの首都ペラから約43キロ離れた立地は、父王が暗殺された場合にアレクサンドロスが逃れる余地を与えた可能性もあるという。当時40代前半だったアリストテレスのもとで、アレクサンドロスは優れた教育を受けたはずだとも述べた。

一方、歴史家ミルティアディス・ハツォプロスは、ここがアレクサンドロスの学んだ学校である可能性は高いとしながらも、判断にはさらなる考古学的資料が必要だと慎重な姿勢を示す。コッタリディは発掘について取材に応じているが、関連する証拠をまとめた論文はまだ発表していないという。

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