「雲の戦士」が築いた古代都市で雌の生殖器を表した石彫を発見。インカ文化との接触を探る手がかりに

ペルー北部のクエラップ遺跡で、雌の生殖器を表現した動物形の石彫が複数見つかった。豊穣や繁殖を願う祭祀具とみられ、インカ帝国の進出後、チャチャポヤの信仰や儀礼がどのように変化したのかを探る手がかりとして注目されている。

クエラップ考古遺跡群で見つかった動物の小像。Photo: Ministry of Culture, Peru

ペルー北部のアンデス山脈に位置するクエラップ考古遺跡群で、雌であることを示す身体的特徴を備えた動物形の石彫が複数見つかった。ペルー文化省が8月31日に発表した

クエラップは、西暦800年頃から16世紀にかけて、現在のペルー北部アマソナス県を中心とするアンデス東斜面に暮らしたチャチャポヤと呼ばれる人々が築いた巨大な城塞都市だ。標高約3000メートルの山頂に位置し、「第2のマチュピチュ」とも称される。チャチャポヤは雲に覆われた高地を生活圏とし、インカ帝国の侵入に激しく抵抗したことから、「雲の戦士」とも呼ばれる。15世紀後半には、チャチャポヤ地域がインカ帝国の支配下に組み込まれた。

今回出土した石彫は祭祀具とみられ、インカ帝国で用いられた「コノパ(conopas)」と共通する特徴を備えている。

クエラップ考古遺跡群で見つかった動物の小像。Photo: Ministry of Culture, Peru
クエラップ考古遺跡群で見つかった動物の小像群。Photo: Ministry of Culture, Peru
クエラップ考古遺跡群で見つかった動物の小像群。Photo: Ministry of Culture, Peru

コノパは一般に石を彫った小型の像で、その多くがリャマやアルパカなどのラクダ科動物をかたどる。家畜の繁殖や農作物の豊作、家族の安寧を願う儀礼に用いられ、像に設けられたくぼみに動物の脂肪やコカの葉、トウモロコシ酒「チチャ」などを供えることもあった。

考古学研究によると、コノパは家庭の祭祀と聖地、さらには国家権力を結びつける役割も担っていたと考えられている。

今回見つかった石彫に雌の生殖器が表現された理由について、文化省は「豊穣や生殖との結びつきを示している」と説明している。この発見は、インカ帝国の進出後、チャチャポヤに伝わる信仰や儀礼がインカの文化との接触によってどのように変化していったのかを探る手がかりにもなりそうだ。

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