2023年、ピカソに何があった? フェアに現れた「遺体」から《ゲルニカ》の撮影再開、女性蔑視への批判etc.
パブロ・ピカソの没後50周年にあたる2023年、彼に関する様々なニュースが報じられた。その多くが画業を称える内容であったのに対し、彼の女性蔑視や植民地主義的ふるまいに対する批判も多かった。改めて、ピカソ関連のニュースを振り返ろう。

ドローイングからピカソの制作過程を探る──ポンピドゥー・センターで展覧会がスタート
パブロ・ピカソのスケッチブックMP1869 (1924) 紙にインク、木炭、サンギーヌ、約33 × 25cm Photo:
Courtesy Centre Pompidou
アートバーゼルのアートフェア、「Paris+ par Art Basel」が行われた10月下旬、ポンピドゥー・センターでは「Picasso: Endlessly Drawing」と題し、ピカソのドローイングに光を当てた回顧展が始まった(2024年1月15日まで)。その中から、見逃せない10作品をピックアップする。
奇才ソフィ・カルはなぜ、ピカソ美術館で「ピカソ不在」の個展を開催したのか
フランスのコンセプチュアルアーティスト、ソフィ・カルが、パリのピカソ美術館で個展を開催中だ(2024年1月7日まで)。しかし、その会場からはピカソの作品のほとんどが撤去されている。ピカソとカル──ふたりのアーティストが見えないかたちで響き合う個展が伝えることとは。
ピカソの《ゲルニカ》、30年にわたる写真撮影禁止を解除。昨年はミック・ジャガーに撮影許可
パブロ・ピカソが反戦の思いを込めて描いた絵画《ゲルニカ》(1937)は、これまで30年間にわたり撮影禁止措置が取られてきた。9月初旬、それが解除された。
ピカソの遺産管理人に、故フランソワーズ・ジローの娘ルイズが任命。
パブロ・ピカソの遺産管理人に、故フランソワーズ・ジローとピカソの娘、パロマ・ルイズ=ピカソが任命された。遺産管理団体の弁護士がフランス通信社(AFP)に明かした。
ピカソをジェンダー視点で捉え直す「パブロ問題」展をレビュー。ハンナ・ギャズビーの意図は伝わったのか?
ピカソ没後50年の今年は、世界各国でピカソ展が多数開催された。そのほとんどがこの偉大な芸術家を称賛する中で、ニューヨークのブルックリン美術館ではコメディアンのハンナ・ギャズビーの企画による一味変わった展覧会が開催された。その内容に首を捻る人も少なくなかった本展は、どんな内容だったのだろうか。
ピカソが初期の代表作にイヌを描いて消していた! グッゲンハイム美術館が発見
ピカソの初期の代表作《Le Moulin de la Galette》 (1900)。グッゲンハイム美術館は、この作品の修復調査の結果、テーブルのそばに可愛い愛玩犬が描かれていたことを発見したと発表した。
フランスに敵視されたピカソ。ファシズム、外国人排斥、反共主義に翻弄された知られざる一面
パブロ・ピカソ、1971年撮影。Photo: Ralph Gatti/AFP via Getty Images
1901年6月18日、パブロ・ピカソはフランスの警察から「外国人番号74.664」という別名を与えられた。長い抑圧の中で、ピカソはどう生きたのか。英語版が発売されたばかりの書籍が、彼の知られざる一面を明らかにしている。
ピカソの超巨大ポートレートがイタリアの空地に出現!
イタリアのランドアーティスト、ダリオ・ガンバリンが、北イタリア・ヴェローナの荒れ地にパブロ・ピカソの巨大な肖像画を制作。「学ぶことをやめなかったピカソ」へのオマージュだという。
「ピカソの遺体」が投げかけるアートの観光化への批判
マドリードで開催された現代アートフェアARCOで、来場者の注目の的になったのは、アートの歴史に大きな足跡を残すパブロ・ピカソの「遺体」だった。
ピカソ作品の大盗難事件に関連し、パリのギャラリーオーナー夫妻に実刑判決
カンヌの自宅にて、作品の前でポーズをとるパブロ・ピカソ。Photo: GEORGE STROUD/GETTY IMAGES
英『アートニュースペーパー』紙によると、盗難されたピカソの版画やデッサン数十点を販売したとして、パリのBelle et Belleギャラリーのオーナーであるアンヌ&ヘルベルト・ペッフェル夫妻に実刑判決が下された。
ピカソ没後50周年の2023年、フランスとスペインが記念展を共同開催
ピカソの没後50周年にあたる2023年、フランスとスペインは、この偉大なアーティストをテーマにした展覧会を欧州各地および米国で共同開催した。