「ジャンヌ・ダルクは剣を取り戻す」──異例の像破壊事件を受け、パリ副市長が修復を約束

1月2日朝、パリ8区サン・オーギュスタン広場にあるジャンヌ・ダルク像の剣が折られ、持ち去られる事件が起きた。男性の容疑者は直後に警察に拘束され、剣は回収された。

破壊行為を受けたジャンヌ・ダルク像。Photo: Blanca CRUZ/AFP

1月2日の午前10時頃、パリ8区のサン・オーギュスタン広場に設置されているジャンヌ・ダルク像の剣が折られ、持ち去られる事件が起きた。

このジャンヌ・ダルク像は1895年に彫刻家ポール・デュボワによって制作されたもので、オルセー美術館の所蔵品としてパリ市に貸与されている。馬にまたがり、剣を掲げるジャンヌ・ダルクの姿を表した作品で、2021年には修復作業も行われていた。ザ・ヨーロピアン・コンサバティブは、パリ市内に複数存在するジャンヌ・ダルク像の中でも唯一、ジャンヌ・ダルクが剣を握る姿を描いた像であり、「同市の文化的・宗教的遺産における重要作のひとつ」と伝えている。

事件を報じたル・パリジャン紙によると、防犯カメラが一連の様子を捉えていた。パリ市副市長で文化財担当のカレン・タイエブは映像について、「男性が像に登り、素手で強い力を加えて剣の刃を折る様子を確認した」と説明。男は剣の刃を持ったまま現場を離れたが、直後に近くを巡回していた警察官に呼び止められ、身柄を拘束された。剣の刃はその際に回収されたというが、男の動機は明らかになっていない。

男はその後、8区の警察署で留置されており、区役所は告訴する方針を示している。ル・パリジャン紙はパリ検察庁への取材を試みたが、現時点で回答は得られていないという。

タイエブ副市長は、今後、折られた剣部分について修復可能性を調査するとした上で、「修復が不可能な場合には複製を制作し、元の姿に戻す」と語った。そしてこの破壊行為を「極めて稀な事件」と評し、「いずれにせよ、ジャンヌ・ダルクは剣を取り戻すことになる」と述べた。(翻訳:編集部)

from ARTnews

あわせて読みたい