盗まれたセザンヌ、ルノワール、マティスを奪還──「傑作の館」から消えた名画、総額16億円超

今年3月、イタリア北部のマグナーニ・ロッカ財団から盗まれたルノワールセザンヌマティスの作品3点が回収された。総額16億円を超える作品は、窓から侵入した犯人によってわずか3分で持ち去られていた。

回収された3作品とイタリア憲兵隊。Photo: Courtesy of Italian Carabinieri
回収された3作品とイタリア憲兵隊。Photo: Courtesy of Italian Carabinieri

2025年は美術品の窃盗事件が多発した1年だったと言えるが、今年は盗難作品の返還のニュースが相次いでいる。ロイター通信によれば、イタリアの捜査当局は8月14日、同国北部の都市パルマ近郊にあるマグナーニ・ロッカ財団から3月に盗まれた美術品3点を回収したと発表した

発見されたのは、ポール・セザンヌの《Still Life With Cherries》(1890)、ピエール=オーギュスト・ルノワールの《Les Poissons》(1917)、そしてアンリ・マティスの《Odalisque on the Terrace》(1922)の3作品。これらの総額は、1040万ドル(約16億5400万円)を上回るとされている。なかでも最も高価なのは、3点で唯一の油彩画となるルノワールの《Les Poissons》。3月のBBCの報道では、約600万ユーロ(現在の為替レートで約11億520万円)と評価されている。一方、セザンヌとマティスの2点は紙作品となる。

ポール・セザンヌ《Still Life With Cherries》(1890) Photo: Wikimedia Commons
ピエール=オーギュスト・ルノワール《Les Poissons》(1917) Photo: Wikimedia Commons

イタリアの国家憲兵隊(カラビニエリ)の文化財保護部隊が、パルマ市内のアパートで作品を発見した。この事件に関連して、これまでにモルドバ国籍の9人が捜査対象となっている。

窃盗事件は、3月22日夜から23日未明にかけて発生した。捜査当局が公開した防犯カメラの映像には、窓から侵入した2人が壁から作品を素早く取り外す様子が映っており、犯行時間はわずか3分だった。

「傑作の館」としても知られるマグナーニ・ロッカ財団は、イタリアの美術評論家ルイジ・マグナーニのコレクションを所蔵している。マグナーニは1977年に両親の名を冠した同財団を設立し、1984年に死去した。その充実したコレクションには、ティツィアーノやデューラーをはじめ、ルーベンスゴヤ、カノーヴァ、デ・キリコらの作品が含まれている。(翻訳:編集部)

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