金属探知機愛好家が見つけた「キリストの血」指輪が354万円で落札。 発見者はイタリア周遊旅行へ

イギリスで金属探知機愛好家が発見した15世紀の金の指輪2点がオークションに出品された。「キリストの血」を表現した指輪は予想落札価格を大きく上回る1万7000ポンド(約354万円)で落札。発見者は予想外の結果に驚いている。

ノースヨークシャーの畑で見つかった「キリストの血」の指輪。Photo: Courtesy Noonans Mayfair

イギリス・ノースヨークシャーで金属探知機愛好家が発見した15世紀の金の指輪2点が、9月22日にヌーナンズ・メイフェアのオークションに出品された。ジュエリー専門メディアのJCKが伝えた。

発見者のアンドリュー・ライリーは、ノースヨークシャーに暮らす半ば引退生活を送る建築家だ。運動を兼ね、天候を問わず週に少なくとも2回は金属探知機を手に探索に出かけている。2024年には、ノーサラートン近郊の畑で、4カ月の間にこの2点を発見した。

最初に見つけたのは、エナメルで「キリストの血」を表現した指輪だ。畝と溝のある畑を数週間にわたり丹念に探索していたところ、地中約20センチの深さから見つかった。ライリーは発見時をこう振り返る。

「最初は安価なアクセサリーだと思いましたが、刻まれた文字を見て考えが変わりました。そのときは1人だったので、土地の所有者に見せようと農家の家まで走っていきました」

この指輪には、中世特有のキリスト教信仰のあり方が表れている。当時はキリストの肉体的な苦しみや、十字架にかけられた際に受けた「五傷」(両手、両足、脇腹の傷)が重視され、写本の挿絵だけでなく、個人の祈りに用いる装身具にもそれらが表現された。

こうした信仰を社会的に支えていたのが、当時の宗教的な信徒団体だ。1408年にヨークで設立されたコーパス・クリスティ・ギルドは、後に会員数が1万7000人に達した。その中には、指輪の発見場所の近くに土地を所有していたジェームズ・ストレンジウェイズもいた。偶然の一致かもしれないが、指輪の来歴を探るうえで注目に値する手がかりだ。

聖マルガリタの指輪。Photo: Courtesy Noonans Mayfair

もう1点は、アンティオキアの聖マルガリタ(St. Margaret of Antioch)を描いた指輪だ。今日では伝説上の人物と考えられている聖マルガリタは、中世を通じて篤く崇敬され、とりわけ出産に臨む女性たちが助けを求めて祈りを捧げた聖人だった。

ライリーがこの指輪を見つけたのは、ある暑い夏の夕方だった。その日の探索を切り上げようかと思っていたところ、エリザベス1世時代の6ペンス銀貨、続いて銀の鎖の輪がいくつか見つかった。そして、土の中に金色の輝きが見えたという。「お決まりの、金を見つけた喜びのダンスを踊りました。それから、あまりの驚きに横になってしまいました」とライリーは発見時の様子を語った。

2点が出品されたのは、9月22日にヌーナンズ・メイフェアで開催された、ジュエリーや時計、銀器、装飾工芸品を扱うオークションだ。「キリストの血」の指輪は、予想落札価格5000〜7000ポンド(約104万〜146万円)を大きく上回る1万7000ポンド(約354万円)で落札され、この日の競売で2番目に高い落札額を記録した。この結果を受け、ライリーはヌーナンズに次のように語った。

「特別な指輪だとは思っていましたが、こんな値段になるとは信じられません。驚きで呆然としています」

一方、聖マルガリタの指輪は、予想落札価格4000〜6000ポンド(約83万〜125万円)の上限にあたる6000ポンド(125万円)で落札された。いずれも手数料別の金額となる。ライリーは売却代金のうち自分の取り分を、イタリアを鉄道で周遊する旅の費用に充てる予定だ。

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