《モナ・リザ》展示室に絵画2点を勝手に展示。逮捕された2人は「楽しむためにやった」と供述

ルーブル美術館の《モナ・リザ》展示室で、来館者2人が絵画2点を無断で壁に貼り付け、逮捕された。

《モナ・リザ》が展示されている「国家の間」。Photo Lou Benoist/AFP via Getty Images

フランス通信社(AFP)の報道によれば、パリのルーブル美術館で《モナ・リザ》が展示されている「国家の間」に絵画2点を無断で展示したとして、来館者2人が逮捕された。警察によると、2人は粘着テープを使い、それぞれおよそ30センチメートル×40センチメートルの絵画を壁に貼り付けた。1点には鎧を着た容疑者の姿が、もう1点には女性とともにいる容疑者2人が描かれていた。なお、《モナ・リザ》に被害はなかった。

ドイツ国籍の2人は、ルーブル美術館の警備員に拘束されたのち、美術館の壁を傷つけたとして逮捕された。警察に対しては、楽しむためにやったと説明している。US版ARTnewsはルーブル美術館にコメントを求めたが、返答は得られていない。

今回の事件は窃盗ではないものの、ヨーロッパの美術館では近年、相次ぐ盗難事件を受けて警備体制への関心が高まっている。昨年10月には、ルーブル美術館のアポロン・ギャラリーから1億200万ドル(現在の為替レートで約161億円)相当の宝飾品が盗まれた。その後も各地の美術館で盗難事件が相次いでいる。

ルーブルでの窃盗事件の直後には、美術館の警備システムが「時代遅れで不十分」であり、予定されていた近代化も度々延期されていたと指摘する政府の監査報告書が流出した。その後、ルーブル初の女性館長を務めたローランス・デカールは2月24日に辞任し、翌日にはクリストフ・ルリボーが新館長に就任した。6月にフランス上院で演説したルリボーは、緊急に対応すべき問題が山積しており、多額の投資が必要だとして、ルーブル美術館は「限界に達している」と訴えた。ルリボーは現在、警備を含む喫緊の課題への対応を進めており、来年1月には敷地周辺に新たなビデオ監視システムを導入する予定だという。

ルーブル美術館は今後、10億ユーロ(約1800億円)以上を投じる大規模な改修を予定している。館内の混雑緩和に加え、専用エントランスを備えた約3000平方メートルの新たな《モナ・リザ》展示室を建設する計画だ。「ルーブル・ヌーヴェル・ルネサンス計画」と呼ばれるこの取り組みは今年に入って一時中断していたが、5月には実現に向けた建築チームが指名され、再び動き出した。(翻訳:編集部)

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