エジプトで「初期キリスト教共同体」を物語るビザンティン建築跡を発見。中庭には円形の食卓跡も

エジプト中央部ソハーグにある遺跡、アル=カリヤ・ビ・アル=ドゥワイルで、5~6世紀にさかのぼる修道院跡が発見された。古代エジプト王朝時代の後、ビザンティン時代にこの地にもたらされた初期キリスト教の広がりを伝える貴重な遺構として注目を集めている。

エジプトのアル=カリーヤ・ビ=アル=ドゥウェイールで発見された、ビザンティン時代の修道院遺構。Photo: Courtesy Egyptian Ministry of Tourism and Antiquities

エジプト中央部、ナイル川西岸のソハーグに位置する遺跡アル=カリヤ・ビ・アル=ドゥワイルで、ビザンティン時代の建築複合体の基礎部分が発見された。エジプト観光・考古省が1月8日、Xで公表した

調査はエジプト考古最高評議会の監督のもとで行われた。発見された遺構は日干しレンガ造りで、建物の規模は最小で約7×7メートル、最大で約13×7メートル。礼拝や信仰行為のための空間を備えていた。中庭には円形構造物の痕跡が残されており、研究者らは、これが修道士たちが共同で食事を取るための食卓として使用されていた可能性が高いとみている。

さらに、身廊や、聖歌隊席、半円形の聖所、ドームを支えていた柱を備えた、約14×10メートルの大規模な建造物も確認された。これらの構造から、同地では修道院として、自給自足の生活を送る修道士たちの共同体が営まれていたことがうかがえる。

そのほか考古学者らは、水の貯蔵に使用されたとみられるレンガ製および石灰岩製の水槽、アンフォラ(貯蔵用の壺)、コプト語で記されたオストラコン(メモや記録などに用いられた土器片)、および各種道具類を発見している。

Ahram Onlineの取材に対して、観光・考古相のシェリフ・ファティは、このビザンティン時代の遺構について、「ナイル川上流部のエジプトにおける初期キリスト教の修道生活に新たな光を当てるものです」と述べた。ファティはまた、これまでエジプトのほかの著名な考古遺跡に比べて知名度の低かったアル=カリヤ・ビ・アル=ドゥワイルが、この発見を機に観光客や研究者の関心を呼び起こすことに期待している。(翻訳:編集部)

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