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190億円に迫るマグリットから「9億円バナナ」、ナポレオンの拳銃まで、2024年の高額落札20選【2024年アートニュースまとめ】

アート市況の指標となるオークション。その低迷を憂う声も多い中、今年はマグリットの傑作がシュルレアリスム作品の最高額となる188億円で落札され、マウリツィオ・カテランの「バナナを壁に貼り付けただけ」の作品《Comedian》が9億円で競り落とされるなど、驚きのニュースに業界は大いに沸いた。2024年のオークションで特筆すべき落札作品をランキング形式で振り返ろう。

サザビーズのオークションで9億円の値が付いたマウリツィオ・カテラン《Comedian》(2019)Photo: Photo Han Haidan/China News Service via Getty Images

20位:マン・レイの側近による希少品ぞろいのオークションは高額落札が続出!チェスセットが約3000万円

4月11日、クリスティーズに出品されたマン・レイ《Le Violon d'Ingres》(1924)。 Photo: Courtesy of Christie's

マン・レイの側近がコレクションした、彼の写真や平面、立体作品など200点が4月11日、クリスティーズ・パリのオークションに出品され、予想落札額を大きく上回るロットが続出した。


19位:7700円でフリマ購入、3900万円で売却! 発見者アートディーラーの審美眼光る

エミリー・カー《マセットQ.C.I.》(1912)Photo: Heffel Fine Art Auction

2024年初め、アメリカ・ニューヨーク州の納屋で開催されたフリーマーケットで50ドル(約7700円)で購入された絵画が、カナダを代表する画家エミリー・カー(1871-1945)のものと判明。11月20日にカナダで開催したオークションで25万ドル(約3900万円)で落札された。


18位:97歳の「知られざる画家」が人気上昇。オークションでは予想の5倍で落札、再評価ぶりを裏付け

クリスティーズのオークションで最高予想価格の5倍近い値が付いたロイス・ドッドの《Reflection of the Barn》(1971)。Photo: Courtesy Christie's

近年人気が急上昇している97歳の画家ロイス・ドッドの作品が、クリスティーズのオークションでまたもや予想落札価格を大幅に上回る結果を出した。この作家に対する再評価の動きを、ギャラリーやオークションハウスに取材した。


17位:ヒューマノイドが描いた作品が約1億円で落札! 評価額を大幅に上回る「アート界にとって重要な日」

エイダによる《A.I. God. Portrait of Alan Turing》。Photo: Courtesy of Sotheby's

11月7日に開催されたサザビーズのデジタルアート・デイセールにおいて、女性型ロボットのAi-Da(エイダ)が描いた作品が約1億円で落札された。出品された当初の約2800万円の評価額を大幅に上回ったことから、「ビジュアルアート界にとって重要な日」と、エイダを作り上げたギャラリストは喜びの声を上げた。


16位:映画『タイタニック』でローズを救ったドアが約1億円で落札! 「二人を同時に救えたのでは?」論争も決着

映画『タイタニック』より。タイタニック号が沈んだ北大西洋に浮くドアに身を預け、互いを思い合うジャックとローズ。Photo: Courtesy of Paramount Pictures

映画『タイタニック』で使われたドアが希少コインやコレクターズアイテムを扱うヘリテージ・オークションズで約1億900万円で落札された。同日には『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』で使われた鞭も出品されたが、最も高値で取引されたのはこのドアだった。


15位:ビートルズが日本のホテルで描いた絵画が約2億円で落札! 作品中央にはテーブルランプの痕跡

オークションで落札されたビートルズの作品には、メンバーのサインも中央に書かれている。Courtesy of Christies

ビートルズが1966年に来日した際にメンバー4人で制作した絵画作品《Images of a Woman on Paper》が、クリスティーズのオークションで落札された。およそ2億円で取引されたこの作品は、日本政府が彼らの安全を確保するために用意していた東京ヒルトンホテルの一室で描かれたという。


14位:作者不明の肖像画はレンブラントの作品だった!? 真相は謎に包まれたままイギリス人コレクターが2億円で落札

レンブラントの作風を模倣して作られたとされる《Portrait of a Girl》。Photo: Courtesy of Thomason Place Auction Galleries

レンブラントの作風を模倣して作られた無署名の肖像画が約2億円で落札された。《Portrait of a Girl》と題された肖像画の裏に貼られているラベルには、本作はレンブラントが手がけており、フィラデルフィア美術館に貸し出されたと記されているが、同館には記録が残っていないことから、本作がレンブラントによるものかは明らかになっていない。


13位:タイタニック号で一番の富豪の懐中時計が2億3000万円で落札! 史上最高額を塗り替える

タイタニック号の乗客だったジョン・ジェイコブ・アスター4世の懐中時計。Photo: Courtesy Henry Aldridge & Son

タイタニック号の乗客で最も裕福な人物だったジョン・ジェイコブ・アスター4世の遺体とともに回収された金の懐中時計が、4月27日にイギリスで行われたオークションで117万5000ポンド(約2億3000万円)で落札。タイタニックにまつわる品の史上最高落札額を樹立した。


12位:ナポレオンが自殺未遂時に使った拳銃2丁が約3億円で落札。仏政府は国宝に指定

オークションに出品されたナポレオンの拳銃。オークションはフランスのロッシーニとオセナの共同で開催された。Photo: Geoffroy Van Der Hasselt/AFP Via Getty Images

フランス皇帝ナポレオン・ボナパルト(1769-1821)が自死を図った際に手にしていた2丁の拳銃が7月7日、フランスでオークションに出品され、169万ユーロ(約2億9430万円)で落札された。


11位:タイタニック生存者を救助した英雄の金時計が3億円で落札。3人の未亡人からの贈り物

ヘンリー・アルドリッジ・アンド・サンに出品されたロストロン船長の懐中時計。Photo: Courtesy of Henry Aldridge & Son Ltd.

タイタニック号沈没事故の現場に駆け付け、乗客乗員710人を救助した蒸気船RMSカルパチア号の船長に贈られた金時計が、11月16日にイギリスオークションハウスに出品され、156万ポンド(約3億円)で落札された。これはタイタニック関連の品としては最高額となる。


10位:『ハリー・ポッターと賢者の石』表紙原画が20倍の値上がり! 3億円で新記録樹立

2024年6月21日、ニューヨークのサザビーズで行われたプレスプレビューで、『ハリー・ポッターと賢者の石』の表紙原画を手にする美術担当者。Photo: Alexi Rosenfeld/Getty Images

『ハリー・ポッター』シリーズ第1作『ハリー・ポッターと賢者の石』の表紙を飾った水彩画が6月26日、サザビーズ・ニューヨークでのオークションに出品され、約3億円で落札された。これは同シリーズにまつわるアイテムの中で最も高額なものとなる。


9位:屋根裏部屋から見つかったジョン・レノンの「フーテナニー・ギター」が4億5000万円で落札!

ジョン・レノンが1964年に購入したフラムスのフーテナニー・ギター。Photo: Julien's Auctions

5月29日に行われたオークションで、ジョン・レノンが使用したアコースティックギターが約4億5000万円で落札され、ビートルズのギターとして史上最高額を樹立した。このギターは、1965年のアルバム『ヘルプ!』および映画『ヘルプ! 4人はアイドル』で使用されたもの。


8位:イサム・ノグチの彫刻に6億6000万円。サザビーズのデイセール、総額18億円超の売上は「感激に値」

イサム・ノグチ《Study for Energy Void》のオークション結果は手数料込みで465万ドル(約6億6000万円)。Photo: Courtesy of Sotheby's

9月27日に行われたサザビーズのデイセールで、イサム・ノグチの作品が約6億6000万円(手数料込み)で販売された。同オークションの売上総額は、手数料込みで約18億7000万円。


7位:マリー・アントワネットの「首飾り事件」由来!? 300カラットのダイヤネックレスが7億円で落札

11月13日のオークションに出品されたダイヤモンドネックレス。Photo: Courtesy Sotheby's

民衆の手により処刑されたフランス最後の王妃、マリー・アントワネット(1755-93)。革命勃発の4年前、彼女の評価を失墜させたのが1785年の「首飾り事件」だ。この事件に関係すると言われるネックレスがジュネーブのサザビーズでオークションにかけられ、479万ドル(約7億4000万円)で落札された。


6位:カテランの「壁に貼ったバナナ」が9億円で落札! 購入者は仮想通貨トロン創業者のジャスティン・サン

マウリツィオ・カテラン《Comedian》(2019)Photo: Photo Han Haidan/China News Service via Getty Images

マウリツィオ・カテランが2019年に発表した、バナナを壁にダクトテープで貼り付けた作品《Comedian》が11月20日サザビーズ・ニューヨークでオークションにかけられ、624万ドル(約9億7000万円)で落札された。


5位:執念実る! ゴッホ《女性の頭部》をオランダの美術館が14億円で購入

フィンセント・ファン・ゴッホ《女性の頭部(Gordina de Groot)》(1885)Photo: Courtesy Christie's

オランダのノールドブラバンツ美術館は、フィンセント・ファン・ゴッホの《女性の頭部(Gordina de Groot)》(1885)を個人コレクターから860万ユーロ(約14億円)で購入した。美術館が手に入れたゴッホ作品としては史上最高額となる。


4位:中国・明代の壺が19億円で落札! オークション史上初出品、今年の中国美術最高落札額に

ロンドンのサザビーズで中国・明代(16世紀)の魚藻文壺一対が、今年行われた中国美術オークションの世界最高落札額を記録した。Photo: Getty Images for Sotheby's

ロンドンのサザビーズで行われた中国美術のオークションで、中国・明代(16世紀)の非常に希少な魚藻文壺一対が、激しい競り合いの末、最高予想落札額の10倍近い960万ポンド(約19億円)で落札された。


3位:ステゴサウルス「アペックス」の骨格標本が約70億円で落札、オークション史上最高額

サザビーズで約70億円もの値がついたステゴサウルス。「アペックス」と名付けられている。Photo: Matthew Sheman

全長8メートルの完全体に近いステゴサウルスの骨格標本が、7月17日、サザビーズ・ニューヨークに出品され、4460万ドル(約69億8000万円)で落札。恐竜の骨格標本のオークション史上最高額を塗り替えた。


2位:春のオークションはバスキアが主役! 最盛期の作品がNYで74億円、香港で19億円

5月31日、香港で開催されたフィリップスのオークションで約19億円で落札された《Native Carrying Some Guns, Bibles, Amorites on Safari》(1982)。Photo: Jean Bourbon

5月31日、香港で開催されたフィリップスの近現代美術イブニングセールで、ジャン=ミシェル・バスキアの作品が1260万ドル(約19億8000万円)で落札。今回のセールで最高額となった。


1位:188億円で落札! 日本でも展示されたマグリットの傑作がシュルレアリスム作品の最高額を更新

MICA: THE COLLECTION OF MICA ERTEGUN Part Iに出品された「光の帝国」(1954)Photo: Christie’s Images Limited, 2024

ニューヨークのクリスティーズで11月19日に行われたイブニング・セールで、ルネ・マグリット(1898-1967)の代表シリーズ「光の帝国」の1点が1億2120万ドル(約188億円)で落札。シュルレアリスム作品の最高額を更新した。

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