来年のメットガラのテーマが決定! 「感覚と自然」を通じて、美術館に眠った衣服を「生き返らせる」
メトロポリタン美術館(MET)コスチューム・インスティテュートが主催する年次展覧会(毎年5月開催)とそれに付帯するビッグイベント、メットガラのテーマが発表された。

メットガラは毎年5月に開催される、メトロポリタン美術館(MET)コスチューム・インスティテュートの資金調達を目的としたイベントだ。テーマに合わせて奇抜に着飾ったセレブたちが大集結するガラの様子は、テレビやインターネットを介して大々的に発信され、凄まじい視聴率/訪問者数を稼ぎ出す。
同部門を統括する名物キュレーター、アンドリュー・ボルトンが共同主催者であるVOGUEのアナ・ウィンターと発表した来年のテーマは、「Sleeping Beauties: Reawakening Fashion(眠れる美女たち:ファッションの再覚醒)」だ。

ボルトンによれば、このテーマは「感覚と自然界」をコンセプトにしているといい、コスチューム・インスティテュートが所蔵する3万3000点にも及ぶ膨大なファッション・アーカイブの中から、キュレーターたちが選んだ250点が展示される。ボルトンによれば、それらは全て「人間の感覚の範囲」に関連するものだ。
また彼は、メットガラで幕開ける年次展覧会の主要な目的を、歴史的、現代的な衣服を「生き返らせる」ことだと強調した。それらはかつて生身の人間に纏われていたものだが、現在は美術館のアーカイブに「研究用の遺物」として眠っている。

たとえば、アメリカ人デザイナー、サリー・ヴィクターが1958年に制作した花々で彩られた帽子や、イタリア人デザイナー、エルザ・スキャパレリによる花のポストカードの複製を配したドレス、羽毛で作られた人工の蝶の羽をあしらった2011年のアレキサンダー・マックイーンの作品など、自然界を暗示する様々な衣服が展示される予定だ。
また今回は、「感覚」に焦点を当てる上で、ノルウェーとベルリンを拠点とするアーティストで化学者のシッセル・トラアスとの新しい試みも行われる。トラアスは過去にバレンシアガともコラボレーションしているが、今回は地球化学を応用し、ヴィンテージの衣服にまつわる香りを再構築するという。
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