男性器をかたどった1600年前の「爪掃除具」が出土──実用性に加え護符の機能も?

イギリス・グロスターシャー州で、道路工事に先立つ考古学調査から数千年にわたる遺物が出土した。なかでも注目を集めているのが、男性器をかたどった約1600年前の爪掃除具だ。

調査で出土した男性器の装飾を施した爪掃除具。Photo: Facebook/Archaeological Research Services Ltd.

イギリス・グロスターシャー州チェルトナム近郊で道路工事に先立って行われた考古学調査により、数千年にわたるさまざまな遺物が出土した。Popular Scienceが伝えた。

なかでもひときわ目を引くのが、持ち手に男性器の装飾を施した爪掃除具だ。後期ローマ時代にあたる300~400年頃のものとみられている。

この銅合金製の道具は、二股に分かれた先端で爪の裏の汚れを取り除くために作られた。当時の爪掃除具は、ピンセットや耳かきなどとともに携帯できるよう、小型に作られたものが多い。チェルトナム近郊で見つかった今回の品にも小さな環があり、革ひもなどに通して持ち歩ける構造になっている。

男性器のモチーフは古代ローマでは珍しくなく、魔除けや幸運、豊穣の象徴として広く用いられていた。男性だけでなく、女性や子どもも男性器をかたどった護符や装身具を日常的に身につけていたほか、武器や軍装品、住宅の装飾にも取り入れられていたという。今回の爪掃除具も、身だしなみ用品としての実用性に加え、持ち主を守る護符の役割を担っていたのかもしれない。

発掘調査を担ったアーキオロジカル・リサーチ・サービシズ(Archaeological Research Services、ARS)は、グロスターシャー州をはじめ、レスターシャー州やリンカンシャー州でも類例が見つかっていると説明。そのうえで、今回の品について「これまで知られているなかで最も優れた例である可能性がある」としている。

調査で出土したバックルと帯金具。Photo: Facebook/Archaeological Research Services Ltd.
調査で出土した硬貨。Photo: Facebook/Archaeological Research Services Ltd.
発掘調査の様子。Photo: Facebook/Archaeological Research Services Ltd.

このほか、発掘現場からは2000年以上の時代にまたがる多数の硬貨や、幾何学模様を施した銅合金製のバックルと帯金具も出土した。1枚の金属板を加工した帯金具は、爪掃除具と同じく後期ローマ時代のものとみられる。さらに、生活ごみや農耕の痕跡、井戸なども確認されている。

近世以降の遺物としては、18世紀にイギリス海軍で使われた「ダンディ・ボタン」や、地元の有力一族と関係がある可能性を持つ、動物をあしらった19世紀のリバリー・ボタン(使用人の制服用ボタン)なども出土した。

今回の発見物の中で、男性器をかたどった爪掃除具のような日用品は、ローマ時代の人々の生活習慣や信仰を知るうえで貴重な手がかりとなる。一連の発見は、この地域で営まれてきた暮らしや文化の変遷を物語るものだ。

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