驚きのお宝が意外な場所から相次いで見つかる。ホックニーからヴァン・ダイク、レンブラントまで 【2023年のアートニュース】
2023年、個人宅や倉庫等から驚くほど高額の作品が発見されるニュースが相次いだ。あなたの家でも、年末年始の大掃除で「幻の傑作」が見つかるかもしれない。2023年のお宝発見ニュースを振り返ってみよう。
老婦人のキッチンにあった「幻の傑作」を、ついにルーブル美術館が取得。30カ月に及ぶ資金調達に成功
250万ポンド(約4億6000万円)以上の価値があると判明した大理石の彫刻。Photo: Courtesy the Highland Council
13世紀末イタリアの画家チマブーエの幻の傑作であることが判明した絵画は、かつてフランスの一般家庭のキッチンに掛けられていた。2019年のオークションで競り負けたルーヴル美術館が、30カ月の「異例」の資金調達を経て、このほどついに取得に至った。
1000円弱で買った胸像が4億円超? 倉庫のドアストッパーにされていた芸術作品の意外な価値に動揺広がる
250万ポンド(約4億6000万円)以上の価値があると判明した大理石の彫刻。Photo: Courtesy the Highland Council
かつてたった5ポンド(約900円)で購入され、その後スコットランドの倉庫に約25年間放置されていたフランスの著名アーティストによる大理石の胸像が、LAのJ・ポール・ゲティ美術館及びパリのルーブル美術館での展示を経て、オークションに出品される可能性が出てきた。予想価格は250万ポンド(約4億6000万円)。
旅先の若きホックニーを助けた夫婦に贈られた、猫の陶作品がオークションへ
Stacey's Auctioneers and Valuersのオークションに出品される、若きホックニー作の猫の陶作品。オークション会社はこの作品に "the cat of kindness" というタイトルをつけた。 Photo:Stacey's auctioneers and valuers
美術学校に通っていた頃のデイヴィッド・ホックニーが、旅先で出会った夫婦に猫の陶芸作品を贈った。それがこのほどオークション会社Stacey's Auctioneers and Valuersのセールで出品されるとアートネットニュースが報じた。
2年前に156万円と予想された作品が18億円に! レンブラント本人作と判明した絵画がオークションへ
レンブラント作と判明した《王家の礼拝》。Photo: Courtesy Sotheby's
レンブラントの工房作とされていた絵画《王家の礼拝》。このほど本人作と明らかになったことで、オークションの予想落札額はおよそ百倍になった。
スペインの一家に伝わる絵画がヴァン・ダイク作と判明!地元美術館に十億円単位で売却か
2009年9月29日、ロンドンのサザビーズに出品されたヴァン・ダイクの自画像。Photo: Dan Kitwood/Getty Images
スペイン・アンダルシア州の一家に受け継がれている絵画が、フランドルの巨匠アンソニー・ヴァン・ダイク(1599‐1641)作と判明。同州のセビリア美術館に収蔵される可能性が出てきた。
老夫婦から買い叩いたアフリカのマスクを6億円で売却。骨董品商を詐欺罪で起訴
2022年3月26日、モンペリエのオークションハウスで売却された、ガボン共和国ファング族のマスク。Photo: Pascal Guyot / AFP Via Getty Images
フランスに住む老夫婦がたった150ユーロ(約2万3000円)で骨董品ディーラーに売ったアフリカのマスクが、実は非常に貴重なものだった。老夫婦はこのディーラーを詐欺の疑いで起訴した。
リサイクルショップで買った580円の絵画に3700万円の価値! ワイエスの父が描いた作品と判明
ニューウェル・コンヴァース・ワイエス作と判明した絵画。Photo: Courtesy of Bonhams
アメリカのリサイクルショップチェーン「セイヴァーズ」で、4ドル(現在の為替で約580円)で購入した油彩が、アンドリュー・ワイエスの父である、画家ニューウェル・コンヴァース・ワイエスの作品と判明。ボナムズ・オークションハウスにに出品されることが決まった。
没落寸前の城をコンスタブルが救う!? お宝発掘番組で模造品が本物と判明
ジョン・コンスタブルの作品であることが判明した絵画。Photo: 141 Productions / All3Media Inte
城を所有するイギリス人夫婦がお宝発掘番組に出演したところ、城の片隅にあった絵画の作者が、19世紀イギリスの画家ジョン・コンスタブルであることが判明したと、イギリスのデイリー・メール紙が伝えた。
リサイクルショップで460円だった花瓶が明治期の著名作家作と判明! オークションの予想落札額は164万円
リサイクルショップで見つかった並河靖之作の花瓶。Photo: COURTESY CANTERBURY AUCTION GALLERIES
イギリスのリサイクルショップで3ドル30セント(約460円)で買った小さな花瓶が、日本の明治期の七宝作家、並河靖之作と判明。今月末にオークションに出品される。予想落札額は1万1800ドル(約164万円)。
ルーベンス作品とは知らずに565万円で買った絵画がサザビーズに登場! 予想落札額は10億9000万円
ピーテル・パウル・ルーベンス《Saint Sebastian Tended By Two Angels》(17世紀)Photo: Courtesy Sotheby's
バロック期におけるフランドル絵画の巨匠、ピーテル・パウル・ルーベンスの作品《Saint Sebastian Tended By Two Angels》が、7月上旬にサザビーズ・ロンドンでオークションにかけられることが発表された。予想落札額は770万ドル(10億9000万円)だという。
仏住居からブリューゲルの息子の作品を発見。3月のオークションに出品
ピーテル・ブリューゲル(子)《村の法律家》(1615-17頃)Photo: Courtesy Hotel Drouot
17世紀フランドル地方の画家、ピーテル・ブリューゲル(子)の絵画がフランスの住居で発見され、来月オークションにかけられることになった。
古代ローマ時代の浴場跡から大量の宝石を発見。利用者の落とし物?
イングランド・バースの歴史あるローマ風呂で行われた清掃作業の様子(2018年3月27日撮影)。Photo: Getty Images
イギリス北東部にある、古代ローマ時代の浴場やサウナの排水溝跡から、彫刻が施された半貴石「インタリオ」約30個が見つかった。カーライルの考古学者が発見した。
骨董品店にあったシャンデリアがジャコメッティ作と判明! オークションに出品される
アルベルト・ジャコメッティ(1966年撮影)。Photo: Gisere Freund/Photo Researchers HistoryI/Getty Images
わずかな金額で購入した品物が、一流の芸術家の作品だった──骨董品店巡りが趣味なら誰もが憧れるストーリーだ。1960年代、ロンドンの骨董品店で250ポンド(130万円相当)で購入したシャンデリアが、スイスの彫刻家、アルベルト・ジャコメッティ(1901-66)が制作したものであることが、50年後に判明した。
ベルルスコーニ元首相が遺したアートコレクションはほぼ無価値⁉ 深夜番組のオークションで作品を購入していた
裸婦画の前に立つシルヴィオ・ベルルスコーニ。1985年、イタリア・ミラノ。Photo: Archivio Umberto Cicconi/Getty Images
2023年6月に死去したイタリアのシルビオ・ベルルスコーニ元首相が遺した美術品コレクションを、イタリアを代表する美術評論家ヴィットリオ・スガルビが鑑定。その結果ほとんどが無価値とみなされたと、BBCが10月19日に報じた。