ユガ・ラボ主催のイベントで、参加者たちが相次いで目や皮膚の炎症を訴える
「ストーリーテリング、体験、コミュニティを通じて未来を形作るWeb3企業」と自らを定義するNFT制作スタジオ、ユガ・ラボ(Yuga Labs)のイベント参加者が、目や皮膚の炎症を訴えた。

NFTコレクション「ボアード・エイプ・ヨットクラブ(Bored Ape Yacht Club)」を手がけるユガ・ラボ(Yuga Labs)主催のイベント「ApeFest(エイプフェス)」は、11月3日から5日まで香港で開催したイベントだ。会場ではUVライトが使われており、これが不調の原因と見られている。特に2日目の夜には明るい照明が使われており、複数の参加者がイベント後に目のやけどなどの症状があったとソーシャルメディアに書き込んだ。
これを受けユガ・ラボは「エイプ・フェスの参加者が目の痛みや視力の問題、皮膚の炎症を訴えていることを把握しています。私たちにとってイベントに来場したコミュニティの健康と安全ほど重要なものはなく、心をいためています」とエンターテイメント紙「Variety」にコメントを出した。
また同社は、エイプ・フェスの請負業者と共に原因の特定を進めているとし、症状がある参加者はソーシャルメディアのダイレクトメール(DM)などで連絡をするよう呼びかけている。
エイプ・フェスの参加者のひとりで、ブロックチェーンコンサルティング会社Birb Nestの創業者兼最高経営責任者(CEO)のAdrian Zduńczykは5日、X(旧ツイッター)に「目が覚めたらひどい目のやけどをしていた」と投稿し、地元の眼科を受診した結果「紫外線角膜炎 (光線角膜炎)」と診断されたと語った。
ZduńczykはXにこう書いている。「ひどい目のやけどで目を覚ましてから30時間経ち、救急病院と眼科クリニックで6時間過ごしました。眼科では事故による両眼の紫外線角膜炎と診断され、ステロイドの点眼薬と眼軟膏を処方されましたが、視力検査の結果にほぼ問題はなく、角膜に深刻な損傷もありませんでした。主催者を恨んではいません。こうしたことは偶発的に起こるものですから」
ユガ・ラボは自らを「ストーリーテリング、体験、コミュニティを通じて未来を形作るWeb3企業」と説明している。ブロックチェーン技術を使ってデジタル・コンテンツの所有権を管理するNFTへの熱狂は2021年初頭に本格的に始まり、ボアード・エイプ・ヨットクラブのNFTがいちはやくブレイクした。
そして2022年3月、ユガ・ラボはシードラウンド(創業前、または創業後間もない企業が行う資金調達のこと)で4億5000万ドル(約677億円)の資金調達に成功した。評価額は40億ドル(約6020億円)だった。
しかし2023年10月、同社のCEOであるダニエル・アレグレは、同社における不特定多数のレイオフを発表した。この再編についてアレグレは、「コミュニティにより良いサービスを提供し、会社のビジョンを実行するためのものです。これらの決定は、社内の人々や役割に影響を与えるものであり、軽々しく行われるものではありません」とコメントしている。(翻訳:編集部)
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